パステル人物画の描き方(智パパ流)

BBSでも質問を受けましたが 前々から私なりのパステル人物画(人物デッサン)の描き方を紹介しようと
思っていました
もし、良かったら 参考にしてください。

パステル道具

私のパステル道具一式です
画板(カルトン)
下書き・・パステル鉛筆
色付け・・コンテ(パステル)
練りゴム
画用紙(カラーキャンソン)
鉛筆削り(カッター)
フィキサチーフ(色止め?)
指(これが とても重宝します)
基本1

顔の大まかな構造比率を書きました
目の位置は 顔の1/2の位置
鼻の位置は 顔の下から1/4の位置
口の位置は 顔の下から1/8の位置

パステル人物デッサンにおいて
目、口、耳、に限らず全て
はっきり描かない方が いい感じに
仕上がります

輪郭線を 軽く描いたら 後は撫でる
ように 描き込みます
基本2

S曲線 人物を描くときは全てS曲線を
意識しながら 線を描きましょう

色付け方向
人体は 球と円錐と円柱に還元できる
って 誰かが言ってましたが
腕の円柱を塗る場合 図のように丸い
方向にそって 塗ります

線による感情表現
直線 ソーと引く 繊細なあっさり線
ガガガ!!と引く 力強い感情的線

指によるぼかし・混ぜ・撫で
パステルには 無くてはならない
技法です パステル画家は 
指の指紋が 無くなります
モデル

2003年のモデルさんです
このページの制作にあたり
過去のモデルさんの写真を元に
デッサン作業を行いたいと思います

写真からデッサンするのは
ちょっと 気が引けるのですが・・・
何故かと言うと
終わり頃 ちょっと ふれます
行程1

画板を立てて パステル用意して
練りゴムとパステル鉛筆持って
いざ!!デッサン
行程2

頭は丸に十文字 目の線 鼻の線
胴の線 首から斜め右へ
右腕の線は 右腕の付け根から
斜め左に それから
肘から真横に絵の中心まで
今度は 手首から斜め右下に折れて
左手に繋がる・・・・等々
大体の 体の線を 大まかに引きます

行程3

体の線を 生かしながら
少しづつ 肉付けしていきます
線は 一発では決まりません
何本も引いた中から一番良さそうな
線を 選びながら デッサンを
続けます

このあたりで このデッサンの
完成作品が 見えてくれば
しめたものです
行程4

絵の全体を見ながら
何となく おいしい線が見つかって
人物が 浮かび上がってきます
行程5

全体に 当たりが付いてきたら
顔の造作 首 腕 指等 細かい
ところを ある程度 決めていきます

とは 言うものの
そう簡単に当たりは付きません
練りゴムと コンテ鉛筆の戦いは
続きます

行程3,4,5を 何度か繰り返して
どうしても 気に入らなかったら
違う紙に 新たに描きましょう

行程6

いらない線を ある程度 練りゴムで
消してみます
色を入れたいのをグッ!!と こらえて
納得いくまで コンテ鉛筆一色で
形を 捕らえます

人物デッサンは とにかく ここで 
うまくいくか いかないか 決まります

人物デッサンのズレは
色ではごまかしが利きません

 
行程7
さて、いよいよ色付けです
最初に 一番明るい所に白を
大まかに置きます
 特に 鼻のてっぺんに 白を置くと
さぁーーて色を 塗るぞーーて
うれしくなります

これからの行程は
画用紙の下の所に 使ったコンテを
置いていきます
ここでは パステル鉛筆、練りゴム
白コンテ
行程8

顔の色を 明るめの 肌色を
軽く乗せて 指で ナデナデ
行程7で塗った白と 混ぜる感じで
ナデナデ 腕も ナデナデ
行程9

服の色は 自分の持っているパステル
の中で 一番似てる色を選んで
もしくは 勝手に色を変えて
ラフに ザ!ザ!ザ!と描きます
椅子に架かる布の影も
エイ!!と 描き込みます
行程10

ザ!ザ!ザ!の所を指でスリスリ
光りの当たっている所は白を強く
影の所は 影の色を強く
髪の毛の黒は 堅めの黒コンテ(2B)
を 使っています
眉と 目と 鼻の穴も 堅めの黒コンテ
をチョンと乗せるように
行程11

スカートの青をコンテの腹で
ザ!ザ!ザ!
行程12

スカートの青を指で モモをスリスリする
ように
椅子に架かる布は明るいところを
エイ!!ヤア!!トウ!!ザザザ!!
シワはこくめいに描く必要は有りません
布だなと 思える程度で十分です

行程13

バックの色を入れます
大体 ここまでに使った7,8色の
コンテの 中から 馴染みそうな色を
選んで 軽くコンテの腹で塗ってみます

コテコテに 塗り込むより軽くサラット
塗り込んだ方が いい雰囲気を 
出せると思います
行程14

パステル画は 塗り残しも
パステル画の一部です
端から端まで 塗りこまないで
空間感を残すのも良いものです

サインを入れて ハイ!出来上がり
完成作品例

2003年5月に実際 二つの目
人物を 直接見てデッサンした
作品です

上記14行程の絵は
モデルの写真を見て デッサンをしても
カメラの一つのレンズを通しての
 いわゆる
一つの目で見たものなので
実在感が 何となく薄れてしまう
感じが します。 つまりません。

人物デッサンは ちゃんとモデルを
前にして モデルの意気込みを
感じながら 行うに限ります


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